事例設定をします。80歳のAは、実家で一人暮らしをしています。
Aの妻Bは、78歳で認知症を患っており、施設に入所しています。
Aの自宅近くに住む一人息子C夫婦が、AやBの面倒を見ています。
Aには自宅の不動産、貸アパート、金融資産があります。
Aは高齢のため、近い将来、認知症を患う可能性があり、そうなると
施設に入所する可能性もあり、自宅や貸しアパートの管理ができなくなる
リスクがあります。また、A死亡後は、Bに判断能力がないため、成年後見制度
を活用するとしても柔軟な財産承継はできなくなります。
そこで、CにAの財産を託す家族信託を活用します。
委託者兼受益者をA、受託者をCとし、Aの自宅の管理や修繕、貸アパートの
賃料の集金、Aが施設に入所した後でも信託契約であらかじめ定めた目的に従い、
Cだけの判断で、Aの財産を自由に処分が可能となります。
Aが死亡した後は、第二受益者として、Bを定め、Cが受託者としてBのために
AからBが承継した受益権を管理することができます。
これで、Aさんは、安心ですね。
司法書士行政書士福満賢一