今回は、株式信託についてご案内致します。
事例設定をします。70歳のAは、若い頃株式会社Aを設立し、
創業者社長として、一代で会社を大きくしました。
一人株主です。何とか会社を永続させたいと考えています。
5年前、妻に先立たれ、最近体調を崩すことが多く健康に
不安を抱えています。そこで、一人息子Bに後継者として会社の
経営を任せたく早期に株式を譲渡したいと考えています。
但し、Bの手腕について自信が持てません。
また、今全株式をBに譲渡してしまうと多くの贈与税がかかります。
そこで、株式信託を活用します。
委託者兼受益者をA、受託者をBとする株式信託をします。
すなわち、次のような内容にします。
1 すべての株式の所有権をBに移転する。
2 株主の権利のうち、議決権等の共益権は、Bが行使できる。
3 Aは剰余金の配当や残余財産の分配を受領する権限を持つ。
4 AはBの議決権行使について指図する権利を持つ。
(これは、Bの勝手を許したくないときに便利です。)
5 Aが死亡したときは、信託が終了し、株式はすべてBに移転する。
(遺言の代わりとなりますね。)
6 Aの一方的意思表示で信託契約の解除ができる。
(これはBが後継者としてふさわしくないとAが判断すれば株式を
取り戻すことができるようにするためです。)
これで、Aさんは、安心ですね。
司法書士行政書士福満賢一